場面かんもく相談室 いちりづか

【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法

「いちりづか」は場面緘黙専門のオンラインの相談室です。
「話せるようになる」ための具体的で効果のある方法を、
一人ひとりの状態に応じてご提案します。
2024-02-12 16:00:00

【期待度大】「高校生になったら話す」 気をつけるのは「○○にしないこと」

私の好きなポール・サイモンの歌で、「4月になれば彼女は(April Come She Will)」という曲があります。

ギターのメロディと伴奏が美しい、詩情にあふれたとても綺麗な曲です。

 

歌の内容とは全然関係ないですが、場面緘黙の子たちの中には「4月になったら話せる(ようになりたい)」と思っている子がたくさんいます。

 

実際、新しい環境に変わるタイミングで緘黙症状が改善するケースは非常に多いです。

なぜ環境の変化が大事かと言えば、それは周りの子たちが「話さない子」だと思っている(と考えてしまう)ためです。

「本当は話したいけど、今までクラスの中で「話さない子」できてしまったから、いきなり話し始めることはできない」

この環境側の要素が緘黙症状を持続させてしまっているのです。

 

また、緘黙症状の完全な改善のためにも、その仕上げとして環境の変化が不可欠だと私は思っています。

徐々に改善していった緘黙症状が、最終的に「自分のことを知らない環境」によって完全に消滅する、ということです。

 

おそらく場面緘黙の子たちの多くも、そういう風に考えていているのではないでしょうか。

ですから「本人は高校生になったら話すと言っている」という話はよく聞きます。

この考え方は、私は大賛成です。

 

 

「高校生になったら話す」

【期待度】★★★★★

 

高校進学だけでなく、クラス替えや他の時期の進学、転校、就職、転職などの環境の変化も同様に期待できます。

その中でも特に高校進学の期待度が高いのは、自分で環境を選べて、自分のことを知らない環境でスタートできる最初のチャンスだからです。

これ以降も大きな環境の変化は度々訪れますが、最も低年齢で迎えるのがこの高校進学です。

 

ただしここで1つ注意点があります。

それはこの最大のチャンスである高校進学を「ギャンブルにしない」ことです。

 

「本人は高校生になったら話したいと思っているし、できそうな気もしている。

でも本当にできるかどうかは、やってみないと分からない。実際には話せないかもしれない・・・

これだと、せっかくのチャンスを逃してしまうリスクが大きいです。

もしこのチャンスを逃してしまったら、次は3年先になるかもしれません。

 

ですので、「高校生になったら話す」を目指すなら、それを成功させるための要素を増やしていくことが大切です。

こういうケースで私がいつもお勧めしているのは次の2つです。

・初対面の人と話せるようになっておくこと

・高校側との事前の相談を丁寧にすること

 

初対面の人と話せるようになるには、この記事で紹介した「筋トレ」がお勧めです。

高校側との事前の相談については関連する要素が多すぎてケースバイケースなのですが、基本的にはこちらの考え方と同じです。

他にもギャンブルにしないための工夫はたくさんあって、それらを個々の状態に応じて上手く採り入れていきます。

 

環境が変わるこの時期は緘黙症状を改善させる絶好の機会。

こんなときにカウンセラーとの閉じた関係の中で箱庭療法やプレイセラピーばっかりやっていては、せっかくの好機を逃してしまいます。

しっかり準備して緘黙症状の改善を目指しましょう。

 

【注意点】

ここに書いてある方法は、効果のある場合もありますし、そうでない場合もあります。

書いてある方法を機械的に実践しても上手くいきません。

練習メニューを考えるにあたっては、様々な要素を慎重に考慮した上で、個々に応じた方法を選択するようにしてください。

 

 

 

オマケ:

「4月になれば彼女は」Simon & Garfunkel,1981年セントラルパークにて

Simon & Garfunkel公式チャンネルから)