場面かんもく相談室 いちりづか

【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法

「いちりづか」は場面緘黙専門のオンラインの相談室です。

場面緘黙の症状は、適切な対応によって
必ず改善させることができます。

「場面緘黙を治す」「話せるようになる」ための
最も効果的な方法を、
一緒に考えてみませんか?
2024-02-21 16:00:00

子どもと「話せないこと」について話題にしてもいいのか?

「いちりづか」のページのどこを見ても、「本人と相談する」ことが大事だと書いてあります。

緘黙症状改善のための3要素【WPC】で挙げる最も重要な要素でもあります。

でも本当にそんなことをしても大丈夫なのでしょうか?

 

この記事では、「子どもと「話せないこと」について話題にしてもいいのか?」について考えます。

 

本人と「話せないこと」について話題にする」

 【必要度】★★★★★

 

  

 まずは子どもの発達という視点から、重要な前提を確認しておきましょう。

 

 

ほとんどの場合、本人は「話せないこと」に自覚がある

 

 これは非常に重要な点ですが、緘黙症状のある子のほとんどの場合、本人は「話せないこと」についての自覚があります

その自覚は何歳くらいからあるかというと、おそらく4歳頃にはすでに自覚していると考えてよいでしょう。

もっと早い年齢で自覚があったケースもありました。

ですので幼稚園・保育園の年長さんの年齢なら、間違いなく本人は自分が園で話せないことを自覚しているでしょう。

(このような「自分自身の考えや心の状態についての認知」のことを「メタ認知」と呼びます)

 

例外は、緘黙症状が軽い場合です。

親からするともっと話せるように思っても、本人は必要なことは言えているので、「話せない」という自覚はない場合もあります。

 

 

幼児期には他者への認知も育つ

 

 4、5歳くらいの年齢は、他者についての理解も育ってくる年齢です。

周りの子たちは「○○ちゃんは○○なんだよ」という理解ができるようになります。

そうすると、「○○ちゃんは話さない子だ」という見方をするようになり、園生活の中でそれをことばにすることもでてきます。

年中・年長の年齢ですでに、周りの「話さない子」という見方も生じてくると捉えてよいでしょう。

 

そしてもう一つ、「他者の考えていること」が分かるようになるのも幼児期です。

「○○さんはこのおもちゃを貸してほしいと思ってる」みたいなことも分かるようになります。

先生が「そういうふうに言われたら○○さんはどんな気持ちになるかな?」と言って諭すのが効果があるのも、この力が育っているからです。

(このような「他者の認知についての認知」のことを「心の理論」と呼びます)

 

こういった力が育ってくると、幼児期には「みんなは自分のことを「話さない子」だと思ってる」という捉え方もできるようになります

このような捉え方は、緘黙症状を長期化させてしまう強力な要因になる可能性があります。

 

 

すでに自覚がある、という前提に立って対応を

   

このように、本人はすでに「話せなくなってしまう」という自覚があります。

ではそれについて周りの大人はどのように対応しているでしょうか。

もし誰もそのことを話題にすることがなければ、本人はそれを一人で抱え込むことになります

自分から親や教師に相談できればよいですが、それは多くの子にとっては難しいことではないかと思います。

ですので、親などの信頼関係のある大人の方から、そのことを本人とよく相談することが大切なのです。

 

 

 

どんなタイミングで、何をどのように話すかは、ケースバイケース

 

ここから先はケースバイケースです。

どんなタイミングで話したらよいか、何をきっかけにしたらよいか、何について話したらよいか、誰が話したらよいか。

話題にする際に、「場面緘黙」ということばは使った方がよいのか。

これらは年齢や症状、その子の性格や困り度、周りの環境などによって大きく変わってきます。

個々の状態に応じて、その子にあった方法を考えていくしかありません。

 

本人がその話題を嫌がることもあるでしょう。

もしその話題を嫌がったら、どうしたらよいでしょうか

その場合でも、やはり私は基本的には本人とその話をした方がよいと考えています。

なぜなら、その話題に触れないとしたら、いつまでもその問題を放置することになってしまうからです。

 

もちろん嫌がっているときは嫌がっているときなりの関わり方というものがあります。

ときには「しばらく様子を見る」ことも必要かもしれません。

それでもいつまでも何もしないで放置するのだけは、お勧めできません。

 

 

【注意点】

ここに書いてある方法は、効果のある場合もありますし、そうでない場合もあります。

書いてある方法を機械的に実践しても上手くいきません。

練習メニューを考えるにあたっては、様々な要素を慎重に考慮した上で、個々に応じた方法を選択するようにしてください。