場面かんもく相談室 いちりづか

①相談室「いちりづか」について

「いちりづか」は場面緘黙専門のオンラインの相談室です。
「話せるようになる」ための具体的で効果のある方法を、
一人ひとりの状態に応じてご提案します。

 「いちりづか」は場面緘黙(ばめんかんもく)専門の相談室です。

 

 「いちりづか」は場面緘黙や関連する症状で困っている方を対象にした相談室です。

 症状が重い方や、他の機関での対応の難しい方の相談も承ることができます。

 

・不登校になっていて、家族以外の人との関わりも少ない

・年齢が高く緘黙症状が長期間にわたっている

・家族にも発話が少なく、話せる相手がほとんどいない

・自閉スペクトラム症など他の発達障害があり、緘黙症状以外の問題も大きい

・これまで治療を受けてきたが改善していない

・身近に相談できる専門機関がない

・話す練習をしたいが学校や職場の協力が得られない など

 

 

 

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場面緘黙(ばめんかんもく)とは

 ※保護者や当事者の方向けの説明です。医学的な定義や詳しい解説などは、他の書籍等をご参照ください。 

 

 場面緘黙(場面緘黙症、選緘黙緘黙)は、もともと話すことができるのに、場面によっては声が出せなくなってしまう状態です。

 話しやすい場面や話しづらい場面は人によって異なりますが、「家では話せるのに学校や職場では話せない」という方が多いようです。また同じ場所であっても、相手やその場の様々な条件によって話しやすさは変わります。

 

 場面緘黙は、医学的には「不安症」と呼ばれるグループに分類されています。

 不安症のグループには「分離不安症」や「社交不安症」などが含まれていますが、人によっては緘黙症状だけでなくその他の不安症も同時に併せ有していることがあります。

 

 

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場面緘黙の症状は改善させることができる 

 

 場面緘黙は適切に対応すれば、症状を改善させることができます。

 詳しくはこちらをご覧ください。

 

 「いちりづか」では、緘黙症状改善のための方法を本人や家族と一緒に考え、 練習の道のりを一緒に歩んでいくお手伝いをします。

 

 

場面緘黙の人が困るのは「話せないこと」だけではありません。

 

 話せないというのは、「ただその時に声が出せなくなるだけ」ではありません。

 現代の社会では、「話すこと」や「コミュニケーションをとること」が多くの場面で求められます。「話すこと」は自分らしさを形作っていくことに他なりません。

 学校や職場でも、友だちを会話をするときでも、買い物でも、何かを選ぶときにも、言いたいことが言えないというのは、自分らしさが表現できないことでもあるのです。

 

 また、場面緘黙は「話せなくなってしまうこと(緘黙症状)」以外にも、様々なできなくなってしまうこと、苦手なことを伴うケースが多いです。

 

例えば:

・表情や身振り、文字でのコミュニケーションもできない

・人前で運動や食事をすることができい、体が固まってしまう

人のいるところに行くのが怖い、人と会うのが怖い、視線が怖い

・学校に行けない、家から出られない、家族と離れられない

  

 「いちりづか」ではこういった緘黙症状以外の困りごとも、場面緘黙に関連する問題と捉えて対応を考えます。

 その人の抱えている問題や困っていること全体をよく理解して、何から取り組むべきかの優先順位を一緒に考えます。

 

 

 

場面緘黙は「本人のもって生まれた性質」だけで生じるのではありません。

 

 場面緘黙の症状のある人は、生まれつき緘黙症状があるわけではありません。

 もともと家など安心できる環境なら普通に話すことができるのですが、保育園や学校、職場などの人との関わりの中で、声が出せなくなってしまっているのが場面緘黙です。

 

 「話すこと」とは、人との関わりの中で行うものです。ですので「一人で話せなくなっている」のではありません。

 その人自身が声が出せなくなってしまうのと同時に、社会の側がその人にとっての「話しづらい条件(社会的障壁)」になっていると捉えることができます。

 

 

 場面緘黙の症状はこのように、本人側の要素と環境側の要素との相互作用によって生じてきます。ですから場面緘黙への対応を考えるには、本人側の問題だけでなく、その人を取り巻いている環境側の要素も考えなければなりません。

 

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 このため「いちりづか」では、ご本人のことを詳しくお伺いするのと同時に、その方を取り巻いている学校や職場などの環境も丁寧に把握します。

 本人が変わるよりも、環境の側を変える方が簡単なことが多いです。「本人が頑張ること」以上に、「環境の側を変えて話しやすい条件を整えること」が大事だと考えています。

 

 

 

「いちりづか」では、まずはゆっくりお話を伺います。

 

 場面緘黙の症状は人によって異なります。

 

 どんなことで困っているのか、どんなことができるようになりたいかも、人それぞれです。ですので「いちりづか」ではまず一人ひとりのお話を詳しく伺います。

 例えば「話せるようになりたい」という願いがあったとして、ではその「話せるようになりたい」とはいったいどのようなことでしょうか。

 

 「友だちとおしゃべりができるようになりたい」

 「困ったことがあったときに先生に言えるようになりたい」

 「まずは職場で挨拶ができるようになりたい」

 「コンビニでコーヒーが買えるようになりたい」

 

 こういった一人ひとりの願いをしっかりと受けとめ、目標に向かって少しずつ進んでいくための方法を一緒に考えるのが「いちりづか」の役割です。

 

 「いちりづか」では、はじめに時間をかけてしっかりとお話を伺います

 1回の面談は通常60分~90分の時間を確保していますが、必要があればさらに多くの時間をかけてお話をお伺いすることもできます。

 

 また声で話すのが苦手な方のために、文字チャットやメタバースでの面談にも対応しています。対面でのやりとりができなくても、何らかの形でメッセージを送ってさえいただければ、お話をお伺いすることができます。

 

 

 

「いちりづか」は場面緘黙で困っているすべての方を対象にしています。

 

 ご相談は、ご本人からもご家族からもお受けします。

 緘黙症状が強く誰とも話せないという方でも、メールを送ってさえいただければ、ご相談を承ることがでます

 

 はっきりと場面緘黙に当てはまるかは分からないけれど近い症状がある場合や、場面緘黙傾向があるものの専門機関では自閉症など別の診断名がついた、といった方でもご相談を承ります。

 

 また、場面緘黙で困っている方と関わる専門職の方や、職場に緘黙症状のある方がいるという方からのご相談(コンサルテーション)も承っています。

 

 ご相談のご依頼やお問い合わせは、こちらからお願いします。

 

 

 

―※

 

 

 

「一里塚」とは

 

 場面かんもく相談室「いちりづか」の名前の由来になっている「一里塚」とは、昔の街道に一里ごとにおかれた目印のことです。

 

 

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(中山道 恵那市にある「槙ヶ根一里塚」 休憩処として整備されている)

 

 江戸時代に街道を整備した徳川幕府は、東海道や中山道などの主要な街道に一里(約4km)ごとに両側に塚を築きました。

 一里塚の大きさは約9メートル四方で、てっぺんには榎などが植えられていたそうです。街道を歩いて通る旅人は、一里塚を旅の目印としたり、休憩場所としたりしていました。

 

 一里塚の多くは明治維新後に街道の役割が変わっていく中で失われていってしまいましたが、今でも往時の姿をとどめているものもあります。

 

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 (中山道 琵琶峠にある「八瀬沢一里塚」 石畳の道の両側に一里塚が残る)

 

 江戸時代、ほとんどの旅人は移動するためには歩くしかありませんでした。

 江戸から京都の三条大橋までは、中山道を通ると135里(約526km)。新幹線なら3時間ほどの距離ですが、この道を江戸時代の人は二週間ほどで歩いたと言われています。

 

 私(高木)は街道歩きが好きで、江戸から京都までの間を何度か歩いたことがあります。

 500キロというととても長い距離に感じると思いますが、一歩一歩進んでいけば必ず目的地にたどり着くものです。

 1日かけても新幹線1駅分しか歩けません。それでも確実に景色は変わっていきます。

 

 街道歩きをしていると、一里ごとに一里塚の跡(昔ここに一里塚があった、というのを教えてくれる道標)が見つかります。時速4kmくらいで歩いていると、1時間くらい歩くと次の一里塚が出てくるのです。

 「ああもう4キロも歩いたか」。そう思ってしばらく休憩したりして、また次に向けて歩き出すことができます。

 

 場面緘黙の改善に向けた練習も、これに似ています。

 一見途方もなく遠い道のりに見えるかもしれないのですが、少しずつ進んでいけば必ずゴールまでたどり着けます。

 地図もなく、進んでいる道が正しいのかどうかも分からない。そんなときに一里塚は、一安心できるよりどころとなります。

 

 相談にきてくれた人がゆっくりでいいから着実に進んで行けるように、路傍におかれた道標となりたい。あとは自分のペースで進んでいけば大丈夫。

 

 そんな願いをこめて相談室の名前を「いちりづか」にしました。

 

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(道中安全の守り神 道祖神)