場面かんもく相談室 いちりづか

【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法

「いちりづか」は場面緘黙専門のオンラインの相談室です。
「話せるようになる」ための具体的で効果のある方法を、
一人ひとりの状態に応じてご提案します。
2024-02-23 16:00:00

話せるようになった子のこと

先日、小さい頃からずっと関わっている子から相談があり、オンラインで話しました。

もう高校生になる子で、緘黙症状自体は小学校に入ってわりとすぐに改善しているのですが、それ以降も学校で困ったことがあるとよく連絡をくれます。

 

だいたいいつも問題のパターンは同じです。

その子は学校でとても大変な思いをしているのに、先生の方はそれに気付けず「もっとがんばれ」「休まず学校においで」と言ってくるので辛くて学校に行けなくなってしまう、ということです。

担任の先生だけでなく、相談室の先生に話しても、スクールカウンセラーに話しても理解してらえないので、本当に困ると私のところに話しにやってきます。

 

どうしてこういうことになってしまのでしょうか。

私はこれは、「緘黙症状」とその背景にある「不安」や「緊張」との関係によるものだと考えています。

 

「緘黙症状」というのはあくまで表面的なその子の状態のことであって、その背景には様々な要因が関わっています。

目に見える緘黙症状は改善しても、根っこのところにある不安の感じやすさや緊張しやすさ自体はあまり変わらないことがあります。

そうすると、本人の中にはまだまだ強い不安や緊張があっても、周りからは緘黙症状が治って「普通の子」に見えてしまう、という状態になります。

 

小学校の頃に緘黙症状が治っている場合は、中学や高校で初めて会った先生からしてみればその子は「普通の子」です。

書類上は情報が引き継がれていても、今目の前にいる子が普通に話していれば、その子が話せなかった頃のことを想像する難しいでしょう。

そうすると周りからは「もっとできるはず」と思われてしまうのです。

 

このように問題が顕在化するかは別にして、こういった「緘黙症状」と「背景にある要因」の関係は多くの子にみられると思っています。

緘黙症状は外から分かりやすい問題の一つにすぎないのであって、それが改善してもまだ本人自身は辛さやしんどさを抱えていることがある、と考えておくことが大切です。

2024-02-22 16:00:00

【学校との連携②】学校に色々お願いするなら「プレミアムコース」がお勧め

学校との連携でよく質問されることの1つが、「どこまでお願いできるのか」という問題です。

 

色々お願いしたいことはあるけど、「どこまで学校にお願いしたらいいのか分からない」

あれもこれも言っていたら「面倒な保護者」になってしまうのでは・・・

その一方で、「お願いしても学校側がやってくれない」というケースも多いですね。

この問題の答えは、「学校の義務」「教師の裁量」の2つの視点から考えることができます。

 

はじめに前者の「学校の義務」について考えていきましょう。

「学校の義務」を考えるためには、その義務の対象が二段階で設定されていることを理解する必要があります。

 

 

二段構えの制度「学校教育」と「特別支援教育」

 

言うまでもないことですが、学校教育の対象は全ての子どもです。(国籍などの問題で例外はありますが)

そして、これも当たり前ですが、全ての子どもが特別支援教育の対象になっている訳ではありません。

ですので、「通常の学校教育の対象の子」と「特別支援教育の対象の子」が存在することになります。

 

イメージとしては、「通常コース」と「プレミアムコース」です。

動画配信サービスでもスマホアプリの契約でも、よくこういうのがありますね。

 

通常コース プレミアムコース
 基本サービス
 画質 通常 プレミアム
 ストレージ ○○GB ○○+●●GB
 ○○サービス 対象外 無制限

 

特別支援教育の対象の子を、このプレミアムコースの対象と考えると話が分かりやすくなります。

通常コースでは何ができるか、プレミアムコースでは何ができるか、それぞれ見ていきましょう。

 

 

通常コース「学校教育」でできること

 

授業や学校行事など、通常の学校教育の制度で学校が行わないといけないことは無数にあります。

しかし、特別な教育的ニーズのある子への対応として学校に義務づけられているものは多くありません

放課後に担任が時間をとって「話す練習」をするとった個別の対応はあくまで教師のボランティア活動であって、そういった対応が義務づけられている訳ではありません。

「支援会議」の開催や「個別の指導計画」の作成も、通常のコースの子に対しては義務ではありません。

一方「合理的配慮の提供」は特別支援教育の有無に関わらず義務づけられていますので、「音読の順番を飛ばす」「授業中に当てないようにする」といった学校生活での配慮は、必要性が認められれば提供されます。

 

学校における様々な生徒指導上の問題への対応を文部科学省がまとめた「生徒指導提要」という資料があります(2022年に改訂版が出ています)。

「生徒指導提要」は文部科学省の資料としてはとても分かりやすく書かれていますので、関心のある方にはお勧めです。この「生徒指導提要」では、不登校や発達障害、精神疾患などについても言及されていて、学校が行うべき対応についても書かれています。ただこれはあくまで参考書的な位置づけであって、ここに書いてある内容は全て制度的な「義務」がある訳ではありません。

 

また場面緘黙だけでなく「不登校」の状態にある子に対しては、関連する重要な法律として「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(通称「教育機会確保法」)があります。

これは調べていただければ情報がたくさんでてきますので、ここでは詳しくは述べません。この法律自体が何か具体的な学校での対応をルール化している訳ではありませんが、「全ての児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、学校における環境の確保が図られるようにすること」「個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援が行われるようにすること」などの重要な理念が述べられているので知っておいて損はないと思います。

 

 

プレミアムコース「特別支援教育」でできること

 

このように、場面緘黙への対応として必要なこと・効果のあることの多くは、通常の学校教育の中では義務となっていません。

一方で、特別支援教育の対象となっている子に対しては、下記のような義務が生じます。

 

通常の学校教育 特別支援教育
 「個別の指導計画」の作成と活用 義務ではない

義務

 「個別の教育支援計画」の作成と活用 義務ではない

義務 

 「話す練習」などの個別の対応※ 義務ではない

指導計画の内容は義務 

 合理的配慮の提供 義務

義務

※「話す練習」などの個別の対応は教育課程上は「自立活動」という項目として扱われます。「自立活動」は障害のある児童生徒一人ひとりの学習上・生活上の困難を改善・克服するための指導として教育課程に位置づけられているものです。詳細については別の記事で説明します。

 

「話す練習」などの個別の対応には、緘黙症状の改善のために行われる様々なもの(放課後に話す練習、録音を使った練習、などなど)が含まれます。

大事なポイントは「指導計画に書かれていることであれば」という点です。

指導計画に明記されていればだいたいどんなことでもできますが、書かれていないことをお願いしても断られることがあります。

つまりどのようなことでも無制限にできる訳ではなく、「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」を作成する段階でしっかりと検討し、その計画で行っていくことが学校と本人・保護者で合意されたものに対して、学校側は実施していく義務が生じるということです。

ですのでしっかりとした中身のある「個別の指導計画」「個別の教育支援計画」の作成がとても重要になります。

指導計画に明記してあることなら「頼んだにやってくれない」ということは(理屈の上では)なくなります。

 

では、このようにメリットの多いプレミアムコース「特別支援教育」ですが、その対象には何が含まれるでしょうか。

特別支援教育の対象は「特別支援学級」「通級による指導」及び「特別支援学校」の3通りがありますが、場面緘黙は単独では「特別支援学校」の対象にはなっていません。

ですので場面緘黙の子は「特別支援学級」か「通級による指導」の対象になると理解しておくとよいでしょう

 

  

まとめ

 

ということで今回は、通常の学校教育と特別支援教育では、学校の義務として対応する範囲が異なることを説明しました。

このようにプレミアムコース「特別支援教育」はメリットが多いため、「いちりづか」では特別支援学級・通級による指導の利用をお勧めするケースが多いです。

 

では、特別支援学級と通級による指導はそれぞれどのような違いがあり、場面緘黙の子の場合はそれぞれどのようなケースにお勧めでしょうか。

また特別支援学級や通級の対象になるには、どのような手続きで進めたらよいでしょうか。

個別の指導計画や個別の教育支援計画はどのように作成し、活用していったらよいでしょうか。

今回は色々な用語が出てきましたので、それぞれについては別の記事で解説していきたいと考えています。

 

  

【注意点】

 この記事の内容は、日本の一般的な学校教育を念頭に書いています。

日本の学校でも、私立の学校などの場合は当てはまらないことがあります。

2024-02-22 10:00:00

【学校との連携①】「学校との連携」が必要な理由

「いちりづか」では、学校(幼稚園・保育園も含む:以下同じ)との連携をとても重視しています。

子どもの場面緘黙の相談の場合、ほとんどのケースで「学校との連携」をどのように進めるかについての詳しい助言を行っています

これは、緘黙症状の改善のためには学校での対応が不可欠だと考えているからです。

「関係者の連携(Cooperation)」は、緘黙症状改善のための3要素【WPC】で指摘している重要な3つの要素のうちの1つでもあります。

 

 

「学校教育の制度」:知っておくと役に立つ・でも正しく理解するのはとても大変

 

学校教育の制度(中でも特別支援教育の制度)を正しく理解しておくと、学校との連携をより効果的・効率的に進めることが可能になります。

「学校との連携が上手くいかない」というケースでも、たいていの場合は正しい制度の運用が分かっていれば、解決方法を探すことができます

 

ですが、制度を正しく理解するのはとても大変です。

必要となる事柄が多いですし、さらに厄介なことに、自治体によって運用の仕方が異なっていたりします。

そこでこのブログのカテゴリー「★学校との連携を上手に進める方法」では、場面緘黙への対応に焦点を絞って、学校との連携の際に特に知っておくべき制度の理解や連携の工夫などを、説明していきたいと思います。

 

 

 

「学校との連携」が必要な理由

 

このカテゴリーの記事の1つ目として、まずは「学校との連携」が必要な理由を改めて確認しておきましょう。

これについては「いちりづか」のサイトの色々なところにすでに書いてありますので※、簡潔に整理しておくことにします。

※関心のある方はこちらなどを併せてご確認ください。

 

学校との連携が必要な最大の理由は、「場面緘黙の症状は学校で生じているから」です。

場面緘黙は、「もともと話すことができるにも関わらず、社会的状況で話せなくなってしまうこと」が主たる症状です。

場面緘黙の子はほとんどのケースで家では普通に話すことができます(そうでないケースも若干あります)。

そして多くの子どもたちにとって、「家庭以外の社会的状況」の大半は「学校」が占めています。

学校以外でも緘黙症状は生じますが、「習いごとで話せないこと」よりも「学校で話せないこと」の方がはるかに問題が大きいでしょう。

 

 

このため、緘黙症状の改善は「学校で話せるようになること」を目指して行っていくことが重要になります。

「学校で話せるようになること」を目指すとすれば、学校との連携は必須です。

専門機関でのカウンセリングだけでは場面緘黙が治りづらいのはこのためです。

 

 

「学校」とは誰のことか・「連携」とは何をすることか

 

ここまで「学校との連携」と書いてきましたが、「学校」とは一体誰のことでしょう。

実際に連携する相手は状況によって異なりますが、「学校を構成するすべての人的要素」がここには含まれると考えておいてください。

※担任、仲の良い友だち、その他のクラスメイト、支援学級担任、通級担当教員、スクールカウンセラー、養護教諭、校長・教頭、支援員、などなど

 

さらに学校内だけでなく、教育支援センターや教育委員会などの学校関連の機関も含まれるケースが多いです。

 

こういった多くの人々の中で誰とどのように連携するのかは、当然ですがケースバイケースです。

担任とだけ連携できればよいケースもあれば、通級先の隣の学校との連携が必要なケースもありますし、校長や学校全体を巻き込んで計画を進めることが必要となるケースもあります。

 

また「連携」にも色々なことが含まれます。

「担任の先生と放課後に話す練習」や「休み時間に友だちと遊ぶ機会を作る」、「特別支援学級・通級の利用」、「合理的配慮の検討」、「個別の指導計画の作成と活用」などなどです。

これらのうちの何が必要かを個々のケースに応じて考え、実践していくことが緘黙症状の改善の近道になります。

 

ではここから、このカテゴリーの記事では学校との連携を上手に進める方法について詳しく見ていきましょう。

 

 

2024-02-21 16:00:00

子どもと「話せないこと」について話題にしてもいいのか?

「いちりづか」のページのどこを見ても、「本人と相談する」ことが大事だと書いてあります。

緘黙症状改善のための3要素【WPC】で挙げる最も重要な要素でもあります。

でも本当にそんなことをしても大丈夫なのでしょうか?

 

この記事では、「子どもと「話せないこと」について話題にしてもいいのか?」について考えます。

 

本人と「話せないこと」について話題にする」

 【必要度】★★★★★

 

  

 まずは子どもの発達という視点から、重要な前提を確認しておきましょう。

 

 

ほとんどの場合、本人は「話せないこと」に自覚がある

 

 これは非常に重要な点ですが、緘黙症状のある子のほとんどの場合、本人は「話せないこと」についての自覚があります

その自覚は何歳くらいからあるかというと、おそらく4歳頃にはすでに自覚していると考えてよいでしょう。

もっと早い年齢で自覚があったケースもありました。

ですので幼稚園・保育園の年長さんの年齢なら、間違いなく本人は自分が園で話せないことを自覚しているでしょう。

(このような「自分自身の考えや心の状態についての認知」のことを「メタ認知」と呼びます)

 

例外は、緘黙症状が軽い場合です。

親からするともっと話せるように思っても、本人は必要なことは言えているので、「話せない」という自覚はない場合もあります。

 

 

幼児期には他者への認知も育つ

 

 4、5歳くらいの年齢は、他者についての理解も育ってくる年齢です。

周りの子たちは「○○ちゃんは○○なんだよ」という理解ができるようになります。

そうすると、「○○ちゃんは話さない子だ」という見方をするようになり、園生活の中でそれをことばにすることもでてきます。

年中・年長の年齢ですでに、周りの「話さない子」という見方も生じてくると捉えてよいでしょう。

 

そしてもう一つ、「他者の考えていること」が分かるようになるのも幼児期です。

「○○さんはこのおもちゃを貸してほしいと思ってる」みたいなことも分かるようになります。

先生が「そういうふうに言われたら○○さんはどんな気持ちになるかな?」と言って諭すのが効果があるのも、この力が育っているからです。

(このような「他者の認知についての認知」のことを「心の理論」と呼びます)

 

こういった力が育ってくると、幼児期には「みんなは自分のことを「話さない子」だと思ってる」という捉え方もできるようになります

このような捉え方は、緘黙症状を長期化させてしまう強力な要因になる可能性があります。

 

 

すでに自覚がある、という前提に立って対応を

   

このように、本人はすでに「話せなくなってしまう」という自覚があります。

ではそれについて周りの大人はどのように対応しているでしょうか。

もし誰もそのことを話題にすることがなければ、本人はそれを一人で抱え込むことになります

自分から親や教師に相談できればよいですが、それは多くの子にとっては難しいことではないかと思います。

ですので、親などの信頼関係のある大人の方から、そのことを本人とよく相談することが大切なのです。

 

 

 

どんなタイミングで、何をどのように話すかは、ケースバイケース

 

ここから先はケースバイケースです。

どんなタイミングで話したらよいか、何をきっかけにしたらよいか、何について話したらよいか、誰が話したらよいか。

話題にする際に、「場面緘黙」ということばは使った方がよいのか。

これらは年齢や症状、その子の性格や困り度、周りの環境などによって大きく変わってきます。

個々の状態に応じて、その子にあった方法を考えていくしかありません。

 

本人がその話題を嫌がることもあるでしょう。

もしその話題を嫌がったら、どうしたらよいでしょうか

その場合でも、やはり私は基本的には本人とその話をした方がよいと考えています。

なぜなら、その話題に触れないとしたら、いつまでもその問題を放置することになってしまうからです。

 

もちろん嫌がっているときは嫌がっているときなりの関わり方というものがあります。

ときには「しばらく様子を見る」ことも必要かもしれません。

それでもいつまでも何もしないで放置するのだけは、お勧めできません。

 

 

【注意点】

ここに書いてある方法は、効果のある場合もありますし、そうでない場合もあります。

書いてある方法を機械的に実践しても上手くいきません。

練習メニューを考えるにあたっては、様々な要素を慎重に考慮した上で、個々に応じた方法を選択するようにしてください。

2024-02-20 16:00:00

参観で「学校で話していない」ことに気付いたら

2月のこの時期は、学校や園で参観が行われることが多いでしょう。

 

参観日は、話せるようになるための練習の機会として使うことがよくあります。

年度の終わりに保護者が見にきているところで発表する機会を作る、というのを練習のメニューに組み込む方法です(これについてはまた別の記事で書きます)。

 

ですが参観にはもう一つ、「子どもの緘黙症状に気付く」機会になるという側面があります

今回は「練習の機会」ではなく「気付きの機会」としての参観日に注目してみましょう。

 

 

先生から言われて知るか、親が見て知るか

 

保護者が子どもの緘黙症状に気付くのは多くの場合、「先生から言われる」か「幼稚園・保育園の送迎の際の様子から知る」かです。

 

園や学校の先生からすれば、担任している子にはっきりした緘黙症状があればすぐに分かります

年度のはじめに気付かなくても、1ヶ月もすれば間違いなく分かるでしょう。

 

ただ中には、気付くのが遅れてしまうケースもあります。

症状が軽度の場合、見落としてしまうこともあります(例えば:音読はできる、担任に必要なことを言える、など)。

教師は家での様子は知りませんので、家では元気な子でも、学校で大人しければ教師からすれば「もともと大人しい子」に見えます。

もともと大人しい子が学校で大人しくしているのなら、別に問題視されません。

保護者は家での元気な様子しか知らないし、教師は学校での大人しい様子しか知らないと、緘黙症状が放置されてしまうことにつながります。

 

そういう場合に気付きの機会になるのが、保護者が園や学校を参観するときです。

つまり、「参観日に子どもの場面緘黙に気付いた」というケースは、「気付かれるまで時間がかかってしまった」可能性が高いということです。

もし年度末の参観日に気付いたという場合、症状が出始めたのが年度のはじめだったら、1年近く気付かれないままになってしまった可能性もあります。

 

それからもう一つ考えられるのが、教師は子どもの緘黙症状に気付いてはいたが(あるいは気付いておらず)、保護者に情報を伝えていなかったという状況です。

こういうケースは全体からすればそれほど多くはありませんが、様々な事情によって(例えば病休で担任が替わるなど)保護者との連携が遅れたり、教師の気付きが遅れたりしてしまうことはあります。

先に「症状が軽度の場合、見落としてしまうこともある」と書きましたが、症状が重い場合にも見過ごされてしまっているケースがあるのです。

 

こういう場合は緘黙症状改善のための3要素【WPC】のうち「C:関係者の連携」が上手くいっていない訳ですから、緘黙症状の改善には大きなマイナス要素となります。

 

 

参観日に気付いたら、まずどうすればよいか

 

以上のことから、保護者が参観日に子どもの緘黙症状に気付いた場合というのは、別の方法で気付いた場合よりも緊急度が高い可能性があります。

ためらわずにすぐに対応を開始するようにしましょう。

 

「参観日に子どもの緘黙症状に気付く」

【緊急度】★★★★★ 

 

 

何をすべきかと言えば、やはりまずは担任の先生に相談するのがよいでしょう

まずはその日のうちに立ち話でもいいので情報共有をして、学校での様子を詳しく把握しましょう。

そして日を改めて相談の機会を作ってもらうことをお勧めします。

もし上記の後半のケースのように、何らかの事情で担任の協力が得られづらそうだと思ったら、スクールカウンセラーや養護教諭、特別支援教育コーディネーターなど校内の相談できそうな方に相談してみてください。

 

また、本人ともよく話してみることをお勧めします。

本人はここまで親にも相談できないできたわけですから、一人で問題を抱えてしまっていると考えられます。

中には「親に知られてしまった」のように思っている子もいるかもしれません。

そういうときに間違っても子どもを責めたり、できていないことを叱責したりしてはいけません。

時間をかけてゆっくり話を聴いていってください。

 

それからもう一つ、場面緘黙についての情報を調べることもお勧めします。

もっともこの記事を見ている方は、すでに場面緘黙についての情報を調べ始めていると思います。

そういう方に私からお伝えしたいことは色々あるのですが(そうですね、これは別に記事を書きましょう)、1つだけ挙げるとすれば「放っておけばそのうちよくなる」とは思わない方がいい、ということです。

場面緘黙の症状は、早期からの適切な対応が不可欠です。

学校の先生や身近な専門家とよく相談し、なるべく早く対応を始めてください。

 

 

 【注意点】

ここに書いてある方法は、効果のある場合もありますし、そうでない場合もあります。

書いてある方法を機械的に実践しても上手くいきません。

練習メニューを考えるにあたっては、様々な要素を慎重に考慮した上で、個々に応じた方法を選択するようにしてください。

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