【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法

2024-03-01 09:00:00

【3月にすること①】「4月に向けた準備」が大切

場面緘黙の症状は3月から4月で大きく変わることがある

 

場面緘黙の症状は、他の障害や疾患よりも環境因子の影響を受けやすいです。

「自閉スペクトラム症」や「吃音」「構音障害」などの言語やコミュニケーションの障害は、相手によって症状が変わることはあまりありません。

一方、場面緘黙の症状は、進学や進級などのある3月と4月では劇的に変化することもあります

 

なぜ場面緘黙が環境の影響を受けやすいかと言うと、場面緘黙は「話せる相手」と「話せない相手」が明確に異なるからです。

本人自身が全く変わらなくても、環境が変わるだけで症状が変わります。

3月まで徐々に改善しつつあった緘黙症状が、クラスや担任が替わることで振り出しに戻ってしまうこともあります。

反対に、環境が変わって周りが「話せる相手」ばかりになれば、緘黙症状はなくなります。

 

 

新しい相手は「話しやすい」か?「話しづらい」か?

 

場面緘黙の人にとって、「新しい相手」というのは話しやすいでしょうか?それとも話しづらいでしょうか?

これは人によって違います。

「知らない人の方が話しやすい」という人もいるし、「慣れている人の方が話しやすい」という人もいます

そして同じ人の中でも、この2つが両方とも存在することもあります。

・仲の良い友だちは話せるが、他の子とは話せない。みんなと違う中学校に行ったら話せるかもしれない。

・学校の先生とは話せないが、知らないお店の人には声が出せる。いつもいく美容院の人とは会話ができる。

 

単純に「新しい相手なら話しやすい」という訳でもありません。

ですので、進学や進級などで新しい環境になることが、話しやすくなる方に作用することもありますし、反対に話しづらくなる方に作用することもあります

 

こういった特性をよく理解した上で、新しい環境を迎えるためにどうしたらよいかを考えるのが、3月にしておくべき重要なテーマです。

従って、3月にするべきことは、「環境が大きく変わる4月に向けて準備をしておくこと」です。

残り少ない3月にどんな練習をするかを焦って考えるよりも、新しい環境でいいスタートができるようにしっかり準備することが大切です。

 

3月にすること:「4月に向けた準備」

【お勧め度】★★★★★

    

 

変化はよい方にも、悪い方にも起こる

  

3月から4月にかけて症状の変化が大きいと書きましたが、この変化はよい方にも悪い方にも起きます。

自分のことを知らない人と話せるようになるチャンスであるのはもちろんですが、新しい環境に対しては不安も大きくなるでしょう。

また先生やクラスメイト、あるいは職場の同僚などとの関係が0からスタートすることもあり、これまで築いてきたよい部分もリセットされてしまうかもしれません。

なるべくマイナス面の影響を減らしながら、プラスを大きくしていくという二正面作戦で挑むことになります。

 

 

「4月に向けた準備」とは何をすれば

  

では、環境が大きく変わる4月に向けた準備とは、何をすればよいでしょうか。

以下の4つにまとめてみました。

・新しい環境でどうなりたいかのイメージづくり

・不安を減らすための相談や見学、情報収集

・心と体の元気を蓄えること

・お店などで知らない人と話す練習

 

詳しくは次回以降の記事で見ていきましょう。

 

 

 【注意点】

ここに書いてある方法は、効果のある場合もありますし、そうでない場合もあります。

書いてある方法を機械的に実践しても上手くいきません。

練習メニューを考えるにあたっては、様々な要素を慎重に考慮した上で、個々に応じた方法を選択するようにしてください。