場面かんもく相談室 いちりづか

【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法

「いちりづか」は場面緘黙専門のオンラインの相談室です。

場面緘黙の症状は、適切な対応によって
必ず改善させることができます。

「場面緘黙を治す」「話せるようになる」ための
最も効果的な方法を、
一緒に考えてみませんか?
2024-04-02 09:00:00

【4月にすること②】計画を立てるなら4月中旬~5月中旬がお勧め!

前回の記事で、4月は環境が変わるので新しい計画を立てましょうと書きました。

計画を立てる時期は4月中旬~5月中旬が最適だと私は考えています。

これは、日本の標準的な学校生活のスケジュールと密接に関わっています。

 

 

「話す練習」は学校生活のスケジュールを意識して計画する

 

私は、場面緘黙の症状はカウンセリングルームの中だけで練習しても治らないと考えています。

緘黙症状の改善とは「園や学校、職場など、その人が主に過ごす社会生活の環境で話せるようになること」です。

学齢期の子どもなら、「学校で話せるようになること」が大きな目標になります。

 

このため「いちりづか」で提案する話す練習は多くの場合、学校生活の中で練習することを計画します

そうすると必然的に、学校生活のスケジュールを考慮した計画を立てることになります。

 

「緘黙症状」も「話す練習」のための計画も、学校やクラスの環境によって大きく変わります。

担任やクラスは基本的に年度単位で変わるので、緘黙症状改善のための話す練習は「年度」単位で計画するのが基本です。

また「年度」よりも短い単位として「学期」も意識するのが有効です。

例えば担任の先生に協力してもらう練習なら、夏休みの期間はあまり練習できませんし、夏休みの前と後で症状自体も変わってくるからです。

(前期・後期の2期制をとっている学校でも、計画を立てる場合は夏休み・冬休み・春休みに区切られた3つの時期を意識するのがよいでしょう)

 

 

4月中旬~5月中旬に計画を立てるのが最適な理由

 

「担任の先生がどのくらい協力してくれるか?」や「クラスに仲のよい友だちはいるか?」によって、話す練習の計画は全然違ってきます。

担任の先生がどんな人か分からないうちは、「担任と話せるようなること」を目標にすべきかどうかも決められません。

こういったことがある程度分かってきて、本人も新しい環境での学校生活に慣れてきてからでないと、計画を詳細を考えることができないのです。

このため、学校が始まって最初の一週間が終わるくらいの時期である「4月中旬」頃が計画を立て始める時期として最適なのです。

 

一方、計画を立てるのが遅くなりすぎるのはお勧めできません。

遅くなれば遅くなるほど、練習に使える期間は短くなっていきます

ですので5月の連休明けまでには、しっかりした計画を立てておくことを心がけましょう。

 

5月中旬までにしっかりした計画を立てることができれば、1学期の途中で計画を見直すこともできます。

だいたい7月の下旬から夏休みと考えると、2ヶ月ちょっとの期間があります。

「5月中旬~6月中旬」が前半、「6月下旬~7月下旬」が後半というイメージで、5月に立てた計画を1ヶ月実践して、6月に見直して修正することができるのです。

こうすることで、話す練習の計画をより効果的なものにできます。

2024-04-01 09:00:00

【4月にすること①】新しい計画を立てる

環境が変わると、心身も変わる

 

以前の記事で場面緘黙は環境因子の影響を受けやすいと説明しました。

 

ヒトの生物学的特徴(身長や気質など)は3月31日と4月1日とでほとんど変わりませんが、「環境」の方は大きく変わります。

進学など学校が替わる場合でなくても、例えば小学1年生から2年生に上がるといった学年の変化だけでも、子どもにとってはとても大きな変化です。

こういった環境の変化は、子どもの心身にも大きな影響を与えます

 

ですので、環境が大きく変わる4月にしっかり「新しい計画」を考え直すことが大切です。

 

 

何が、どのように変わったか

 

「新しい計画」を立てるために、まずは「何が、どのように変わったか」を把握しなければなりません。

これは、「環境側の変化」と「本人側の変化」に分けて考えるのがよいでしょう。

 

「環境側の変化」とは、学校やクラス、学習内容や学校生活の様々な変化です。

学年が1つ上がるだけでも、担任やクラスメイト、教室、教科書や持ち物など、色々なものが変わります。

ですので計画を立てるのに先だって、まずはこういった新しい環境の詳細を理解することが必要です。

 

「本人側の変化」は環境側の変化によってもたらされます。

新しい学年で頑張りたいことや、できるようになりたいこともあるでしょう。

「新しい環境になったら、話せるかもしれない」と思っているかもしれません。

こういった本人の意思や考えを、4月になった時点で新たに確認しておくことが大切です。

 

 

「新しい計画」を考えるタイミング

 

新しい計画を立てるのは、なるべく早い方が望ましいです。

しかし、「何が、どのように変わったか」を把握するにはそれなりに時間がかかります。

学校生活が始まってみないと、新しい環境がどんなものかも分かりません。

 

こういったことが分かってくるのは、4月中旬くらいからでしょう。

この4月中旬から1ヶ月くらいが、新しい計画を立てるのに最適な時期だと言えます。

次回はこの「新しい計画を立てるタイミング」について、もう少し詳しく解説しましょう。

2024-03-13 09:00:00

【4月の第1週】1年間でもっとも重要な数日間

これまでの記事でも度々書いてきましたが、4月に向けての準備はとても大切です。

私はこの時期の相談ではいつも、4月の最初の週に何をするかについてはかなり具体的に説明しています。

 

 

新年度の始まりと新学期の始まりのタイムラグ

 

新年度が始まるのは4月1日。

学校の人事もこの日から新体制でスタートします。

一方で子どもたちにとって学校が始まるのは始業式や入学式。

4月5日前後のところが多いと思いますが、今年は1日が月曜日なので4月8日の学校もあるでしょう。

ここに数日間のタイムラグが発生します。

 

このタイムラグが「新しい環境での学校生活が始まる前に、新年度の情報を入手して準備をすることができる」唯一のチャンスです。

したがってこの数日間は、1年間で最も重要な準備期間だと言えるでしょう。

この期間にしっかり準備できるかどうかで、「話せる子」で新年度をスタートできるのか「話せない子」でもう1年過ごすのかが変わってしまうこともあります

 

 

このタイムラグを有効に活かすために

 

この数日間のタイムラグで準備できることはたくさんありますが、もっとも重要なのは担任の先生との相談です。

こちらの記事にも書きましたが、新しい担任の先生に情報をしっかり伝え、新年度の詳しいスケジュールを教えてもらったり、自己紹介の仕方を相談したりしましょう。

しっかり計画を立てて新学期を迎えれば、3月までは「話せない子」でも、4月から「話せる子」になることができるかもしれません。

 

そのために必要なのは、準備をしっかりしておくことです。

この数日間のタイムラグはとても短いので、4月になってから慌てて行おうとしても間に合いません

新年度が慌ただしいのは誰でも一緒なので、気がつけば3月までと同じ状態で新学期を迎えることになってしまうでしょう。

そのためにも、3月のうちから準備しておくこと

つまり「準備をするための準備」と言えますね。

 

新しい環境を「話せる子」でスタートさせるためにも、しっかり準備して新年度を迎えましょう。

2024-03-02 12:00:00

【3月にすること③】「しっかり休むこと」と「初対面の人と話せるようになること」

「3月にすること」の続きです。

「4月に向けて準備をしておくこと」として以下の4つを挙げました。

・新しい環境でどうなりたいかのイメージづくり

・不安を減らすための相談や見学、情報収集

・心と体の元気を蓄えること

・お店などで知らない人と話す練習

  

今回は後半の2つについて解説します。

 

 

心と体の元気を蓄えること

  

3月に限らず、しっかり休んで心と体の元気を蓄えるのは大事なことです。

元気が最大100だとしたら、いつも全力の100で走り続けることはできません。

適度に力を抜きながら、長く進み続けることが大切です。

 

ではなぜ3月に「心と体の元気を蓄えること」が大事かと言うと、3月にがんばっても効率がよくないからです。

前回も書いたように、3月から4月にかけては環境が大きく変わるため、3月にできるようになったことが4月に同じようにできるとは限りません。

むしろ「4月になってからがんばる」方が効率がよいわけです。

 

春休みがいつから始まるかは学校や学年によって大きく違いますが、ここでは小学校を想定して春分の日前後から春休みとして話を進めしょう。

3月1日から数えて、学校に行く日数はあと15回くらいです。

もし話す練習を週に1回行っているなら、練習できるのは多くてもあと3回。

 ただし何かとイレギュラーなイベントもある季節なので、最終週まで普段通りのことができるわけではないでしょう。

通級は早ければもう最終回になってしまいます。

つまり3月というのは、1ヶ月あっても練習できる回数は少ない月なのです。

焦って色々やるよりも、ここは先のことを考えて効率のよい進め方を考えましょう。

 

また、もし学校に行くのが大変な子の場合は、3月にお勧めなのは「早めに春休みモードに入ってしまう」ことです。

残りの15日間、力を振り絞ってわずかな回数学校に行って疲弊するくらいなら、「今年度はもう行かない」と決めてしまった方がよいかもしれません。

考えてみてください。

頑張って週に何回か学校に行くのを3月下旬まで続けるのと、この1ヶ月間をまるまる「休む期間」と決めて後は楽しく過ごすのと、どちらがプラスになるでしょうか。

もちろん正解は人によって違いますが、後者の方がプラスが大きいようなら「早めの春休み」もありだと思います。

 

 

お店などで知らない人と話す練習

 

これは全員にお勧めの方法ではなく、「4月から新しい環境で話せる状態でスタートしたい人」向けです。

先ほど、心と体の元気を蓄えるためにしっかり休むことが大事と書きましたが、この時期の練習が効果的なケースもあります。

それは「3月に練習しておくことが4月からのスタートにつながる」ことが明確な場合です。

 

こちらの記事で書きましたが、「中学生になったら話す」「高校生になったら話す」のように考えている子はとても多いです。

そしてこれは実際、とても上手くいく方法でもあります。

この最大のチャンスである環境の変化を「ギャンブルにしない」ためにも、しっかり準備して4月を迎えることが大切です。

 

そのためにも、初対面の人と話せる」ようになっておくための練習を今のうちからしておきましょう

対面の人と話せるようになるには、この記事で紹介した「筋トレ」がお勧めです。

 

お店で注文する練習なら、学校に行く日があと何日かは関係なく、1ヶ月まるまる練習できます。

「4月から新しい環境で話せる状態でスタートしたい人」は、今こそ話す練習を頑張りましょう。

 

 

 【注意点】

ここに書いてある方法は、効果のある場合もありますし、そうでない場合もあります。

書いてある方法を機械的に実践しても上手くいきません。

練習メニューを考えるにあたっては、様々な要素を慎重に考慮した上で、個々に応じた方法を選択するようにしてください。 

2024-03-01 16:00:00

【3月にすること②】「どうなりたいかのイメージ」と「不安を減らすための情報収集」

前回の記事では、3月から4月にかけては環境が大きく変わるため、3月には「4月に向けて準備をしておくこと」が大切だと書きました。

そしてそのための準備として、以下の4つを挙げました。

・新しい環境でどうなりたいかのイメージづくり

・不安を減らすための相談や見学、情報収集

・心と体の元気を蓄えること

・お店などで知らない人と話す練習

  

今回はこのうちはじめの2つについて解説します。

 

 

新しい環境でどうなりたいかのイメージづくり

 

準備をするためには、まず「何に向かっての準備なのか」が分かっていないといけないですね。

このため、目標をしっかり立てることが大切です。

 

緘黙症状の改善といっても色々な段階があります。

担任の先生と話せるようになるのか、全員の前で音読などができるようになるのか、不特定多数の相手と話せるようになるのか。

また「毎日学校に行く」「教室に入る」など、緘黙症状以外についても同様です。

まずは新しい環境でスタートするときにどうなっていたいかのイメージを、しっかり持つようにしましょう。

 

当たり前のことですが、これは周りの大人ではなく本人が考えることです。

小中学校への進学や転校など学校が変わるタイミングでは特に、この点をよく本人と話し合っておきましょう

 

ここで1つ気をつけてほしいのは、目標の難易度と、上手くいかなかったときの対応です。

できれば目標は高く設定してほしいですが、高すぎる目標だと失敗してしまうこともあります。

よくある例は、学校に行けていない子が「新年度になったらクラスで過ごす」と決心をして最初の数日は頑張るけどやっぱり行けなくなってしまう、というものです。頑張ろうとした分、反動でさらに悪くなってしまうことも起こり得ます。

私としては、こういう目標はぜひ尊重したいですし、ちょっと難しそうでも本人がやると言っているなら応援したいと思います。

そういう時は、「高い目標なので上手くいかない可能性もあらかじめ想定されるから、そうなったらまた早めに一緒に考えよう」と失敗に対して先回りして対応を考えておくとよいでしょう。

例えば「新しいクラスで自己紹介を頑張る」だったら、それができたかどうかその日のうちにしっかり確認して、すぐに次の一手を考えればよいわけです。

 

 

不安を減らすための相談や見学、情報収集

 

新しい環境でのスタートは、「不安」も「期待」も大きくなります。

「期待」が勝てば新しいことに挑戦する原動力になりますが、「不安」の方が大きければ尻込みしてしまうでしょう。

「期待」というのは、1つ目に述べた「新しい環境でどうなりたいかのイメージづくり」と関係しています。

では「不安」の方はどうでしょうか。

 

緘黙症状の背景に「不安」の強さが関わっていることが多いと言われます。

環境が変わる時期というのは、この不安が大きくなりやすい時期です。

なぜなら不安というのは「分からないこと」から生じるものだからです。

 

どうなるか分からないから不安、何が起こるか分からないから不安になるのです。

「分からないから不安」なのですから、有効な対策は「なるべく沢山の情報を収集しておくこと」です。

 

そこで、事前に見学に行って建物の中や周りの様子を把握しておきましょう。

新しい学校に進学する場合は、玄関から教室までの経路、トイレや他の教室の様子などを知っておくのが有効です。

 

公共交通機関で通学するなら、あらかじめ何回か同じ経路で行ってみるとよいでしょう。

新しい地域での生活をスタートさせるなら、グーグルマップやストリートビューでその辺りを詳しく探索してみることをお勧めします。

 

場所だけでなく、学校の先生に会っておくのも有効です。

もし事前に担任が誰か教えてもらえるなら、顔合わせの機会をつくっておきましょう。

 

また新年度の詳しいスケジュールを教えてもらえば、見通しが持ちやすくなります。

自己紹介はいつどのようにするか、授業はいつから始まるか、日直の仕事はどんなことをするか、など細かいことまで確認しておくとよいでしょう。

 

このようにしっかり情報収集をして、「不安」よりも「期待」が大きくなるように準備していきましょう。

 

 

 【注意点】

ここに書いてある方法は、効果のある場合もありますし、そうでない場合もあります。

書いてある方法を機械的に実践しても上手くいきません。

練習メニューを考えるにあたっては、様々な要素を慎重に考慮した上で、個々に応じた方法を選択するようにしてください。

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