【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法
【連載:場面緘黙と不登校】第8回 対応方法の基本④学校に行った方がいい理由
前回は、不登校の解決が多様であり学校は1つの手段に過ぎないという話をしましたが、その最後で「学校は、行ければ行った方がいい」というのが私の基本的な立場と述べました。
今回は「学校に行った方がいい理由」について考えてみましょう。
学校に行った方がいい理由は1つ:「効率がいいから」
はじめに分かりやすく結論を書いてしまいましょう。
私が「学校は、行ければ行った方がいい」と考える理由は「効率がいいから」。
これだけです。
「効率がいい」をもう少し詳しく説明すると、こうなります。
・安い
・内容が充実している
・自分で考える必要がない
+社会の側にとってもコストパフォーマンスがいい(これは別の回に説明します)
不登校の解決のゴールは多様ということを前回は指摘しました。
自治体の教育支援センターでもいいし、民間のフリースクールでもいいし、自宅でも勉強できます。
こういった方法と、学校(日本の公教育:主に小中学校を想定)とを比較して考えてみましょう。
1.安い
学校は圧倒的に安いです。
学用品や給食費や修学旅行などでお金はかかりますが、基本的に無料です。
電気や水道などの生きていくのに必要なインフラでさえお金がかかるわけですから、無料で使えるサービスとしては学校を上回るものはないでしょう。
2.内容が充実している
教える教師はプロの集団です。
最低4年間の基礎課程があり、厳しい(最近はそうでもない)選抜があり、職に就いてからも「研鑽と修養」を欠かさないのが学校の先生です。
そして学べることや体験できることも盛りだくさんです。
部活動やクラブ活動があり、色々な行事があり、校外学習があり、ゲストティーチャーがあり、色々なことが学べます。
3.自分で考える必要がない
日本の学校教育は、大勢の専門家によって議論に議論を重ねた集大成である「学習指導要領」に基づいて行われます。
10年に一度くらいの割合で改訂されていますので、常に最新版と言っていいでしょう。
何を学ぶべきか、自分で考える必要がまったくありません。
これらをもし自宅での勉強で補うとしたら、とても大変ですね。
「効率」以外にはあるか
では効率以外に、学校に行った方がいい理由はあるでしょうか。
私は特にないと思っています。
(ただしここは人によって意見が分かれるところですので、みなさんご自身で判断してください)
よく言われそうな理由と、それについての私の考えを書いておきましょう。
・学校は「社会性が身につく」「集団のルールが学べる」
これは、大人との関わりや異年齢集団との関わり、社会との関わりなどの場があれば、学校でなくても学べると思います。
学校じゃない方が学べることもあるかもしれません。
(だいたい、日本の学校で身につけさせられる「社会性」や「集団のルール」って、そんなにいいものなのでしょうかと私は思ってしまうのですが)
・学校じゃないとできないことがある、「運動会」や「修学旅行」は学校じゃないと体験できない
それを言ったら、フリースクールじゃないとできないこともあるし、海外留学じゃないとできないこともあるし、農業体験じゃないとできないこともあります。
「運動会」や「修学旅行」は子どもの健やかな成長に必須のものではありません。
ですのでこれは理由にはならないと私は思います。
・同年齢の集団との生活は、思春期・青年期の人格形成に役立つ
これはそうだと思います。
ただ、長く不登校だった方が人格形成に不適応を抱えるかというと、それはその人次第な気もします。
ですので学校でなければならない、というわけでもないように思います。
あまり書くと、学校が大好きな人から文句を言われそうなのでこのくらいにします。
「学校に行くかどうか」をメリットとデメリットから考える
とにかく私が言いたいのは、「学校に行った方がいい理由は、効率がいいから」ということです。
なぜそのことをわざわざ強調するかというと、「学校を絶対視しない」「学校を神聖視しない」という視点が大事だと考えているからです。
「学校に行った方がいい理由は、効率がいいから」というのは、裏を返せば「効率がよくないなら、行かなくてもいい」という意味です。
つまり学校に行くことのメリットをデメリットが上回るなら別に学校にこだわらなくてもいい、そのくらいに考えるのがよいと思っているのです。
では学校に行くことのデメリットとは?
色々な理由で学校が嫌いな子はいるでしょうが、多くの子たちにとってはそんなに大きなデメリットはないでしょう。
総合的に見てメリットがデメリットを上回る子たちは、学校に行くといいでしょう。
でも中には、学校に行くことのデメリットが大きい子もいます。
学校に行くだけで心身をすり減らし、辛い毎日を送っている子。
行くだけは行っても、様々な刺激に耐えられずとても勉強どころではない子。
そういう場合、いくら内容が充実していても無料でも、行く意味がなくなってしまいます。
ですので、学校に行くのか、行かないのか、の判断をする場合には、「メリットとデメリット」を秤にかけてみてください。
マイナスの方に傾くなら、休んでみるのもいいでしょう。
無理やり行かせてもあまり意味はありません。
そこの判断が大事です。
【連載:場面緘黙と不登校】第7回 対応方法の基本③場面緘黙と不登校では、「ゴール」の考え方が異なる
今回は対応方法の基本となる「何を目指すのか」について解説していきます。
「場面緘黙」と「不登校」の両方の状態になっている子への対応を考えるとすれば、当然それぞれについてのゴールが必要になります。
ここで大事なのは、場面緘黙と不登校では、「ゴール」の考え方が異なるということです。
場面緘黙の症状に関しては「話せるようになること」という分かりやすいゴールがありますが、不登校の方はそんなに簡単ではありません。
「学校に行けるようになること」だけがゴールではないからです。
これは、ふだんあまり意識されることはないかもしれないですが、非常に重要な問題です。今回はこれについて考えてみましょう。
本当に場面緘黙改善のゴールは「話せるようになること」だけなのか?
改めて確認しておきましょう。
場面緘黙改善のゴールは「話せるようになること(緘黙症状の改善)」です。
もちろん「話せるようになる」にも色々な状態がありますが、大きな方向性としては同じです。
(緘黙症状の改善について知りたい方はこちらの記事をご覧下さい)
「筆談などの代替手段でコミュニケーションができればいいのでは」という考え方も確かにあります。
もし本人が「筆談ができるから、これ以上は緘黙症状が改善しなくてもいい(話せないままでいい)」と考えているのであれば、それは解決だと言えるでしょう。
ですが、「話せないままでいい」と考える人はそんなにいるでしょうか。
私はこれまで何百人もの場面緘黙の症状のある人と関わってきましたが、はっきりと「話せるようにならないこと」を希望した方は一人もいませんでした。
(「話せるようになりたい」という意思が確認できないケースはよくありますが)
ですので私は、場面緘黙の症状のある人の多くは「話せるようになりたい」と思っていると考えています。
他でも書いていますが、緘黙症状は改善させることができるものです。
反対に、放っておけばいつまでも緘黙症状が続くケースもあります。
積極的な治療的介入によって、なるべく早く症状を改善させるべき、というのが私の基本的な考え方です。
なぜ不登校の解決のゴールは多様なのか
一方で、不登校の解決のゴールは多様です。
「学校に行けるようになること」だけではなく、「学校に行かないことにすること」「学校以外の学び方や生活の仕方をすること」なども考えることができます。
なぜ不登校の解決のゴールは多様なのでしょうか。
それは、問題の本質が「学校に通えるかどうか」ではないからです。
「学校に通う」というのは、その人が成長・発達していくための「1つの手段」に過ぎません。
大事なのは学校に通えるかどうかではなく、人としてよりよく育っていくことです。
「学校に通う」のは人生の中のほんの一時です。
学齢期の終わりがくれば、不登校は自然と消滅します。
最後まで不登校の状態で過ごしても、そこから先で豊かな社会生活を送ることができればそれでよいのです。
ですが場面緘黙は、学齢期の終わりがきても勝手に消滅しません。
高校や大学を卒業するまで場面緘黙の状態で過ごしたら、そこから先の社会でも緘黙状態が続く可能性の方が高いでしょう。
ということで今回の内容のまとめ。
場面緘黙改善のゴールは「話せるようになること」だが、不登校の解決は多様である。
ぜひ覚えておいてください。
ところで、不登校の解決が多様であり学校は1つの手段に過ぎないとしたら、でははじめから「学校には行かない」と決めてしまうのでもよいのでしょうか。
私はそうは考えていません。
「学校は、行ければ行った方がいい」というのが私の基本的な立場です。
その理由は「効率がいいから」。
次回の記事でこの点について考えてみましょう。
【連載:場面緘黙と不登校】第6回 対応方法の基本②本人が言語化できない場合
前回は緘黙症状があり不登校状態になっている子への対応として、まずは「アセスメント」が大切、という話をしました。
特に本人の意思がもっとも重要です。
では、本人が自分の意思や自分の状態を上手に言語化できない場合はどうしたらよいでしょうか。
言語化できないというのも、様々な状態があります。
「自分でもよく分からないため答えられない」
本人も困っていたり何とかしたいと思っていたりしても、その困っている感じやどうしたいか自体がよく分かっていないケースがあります。
学校に行けないのはなぜかと聞かれても、その理由が自分でもよく分かっていません。
こういうケースでは、本人と一緒に少しずつそれを探究していくことが大切です。
学校に行けないことの背景に様々な要因があることを第4回の記事でお話ししましたが、本人がこのように整理して理解できているわけではありません。
例えば「感覚の過敏」というのは最近はよく知られるようになってきた概念ですが、本人自身が過敏に対してどのくらい自己理解があるか分かりません。
それが感覚の過敏であることに気付かず、「よく分からないけど何となく嫌な感じ」を抱いている可能性もあります。
大人になってから「あれは感覚の過敏だったのか」と気付くケースも少なくないでしょう。
ですので本人と一緒にこういったことを学びながら、理解を深めていくことをお勧めします。
背景にある要因だけでなく、「どうしたいか」「どんな支援や配慮が必要か」も、本人がどんな選択肢があるかを知っていなければ答えられません。
旅行先で「どこに行きたい?」と聞かれても、地図や観光案内がなければ希望が言えないのと同じです。
本人は「学校に行く」「学校を休む」の2つしか選択肢を知らないかもしれません。
でも「夕方だけ行く」「週に2日だけ行く」「別室で勉強する」「特別支援学級を利用する」「教育支援センター(中間教室)を利用する」「フリースクールに行く」「オンラインのフリースクールに参加する」「自宅でオンラインで勉強する」など様々な選択肢があります。
よい判断をするには、色々な選択肢があるんだということを本人によく知ってもらうことが大切です。
緘黙症状についても同じで、計画を立てて練習すれば話せるようになる、ということをよく理解してもらうことをお勧めします。
関連する内容をこちらにも書きました。
「その話題を明確に拒否する」
もし本人がその話題を明確に拒否する(「その話はしたくない」などと言う)場合は、「なぜ拒否するのか」をよく理解することが必要です。
「明確な拒否」というのは積極的な行動ですので、何かの意図や理由がある可能性が考えられます。
本人がその話題を拒否する理由が、「それまでの大人側の対応(例えば無理やり学校に行かせようとする、など)」にあるとしたら、その対応を改める必要があるかもしれません。
「学校に行かせようとしているのではなく、これからどうしていくかを一緒に考えたい」という姿勢で、本人と対話できる関係を時間をかけて築いていくとよいでしょう。
拒否する理由が「自分自身のことと向き合いたくないから」だとしたら、ひとまずはその問題には深入りせずに、当面の対応だけを考えていくこともできます。
根本的な解決にはならなくても、例えば「中学校の間は自宅で勉強しながら週に2日は教育支援センターに通う」のように決められれば、それはよい対応だと言えるでしょう。
本人にとっては触れられたくない話題であっても、何の解決策も考えずにただ「何もしない」状態でこれからもずっと過ごしていくことはお勧めできませんので、何かしらの対応は相談した方がよいと思います。
「本人とコミュニケーションがとれない」
もっとも難しいのがこのケースです。
こういう場合の対応は個々の事例でまったく異なりますので、このブログで説明できる範囲を超えています。
この場合は迷わず身近な専門家に相談することをお勧めします。
【連載:場面緘黙と不登校】第5回 対応方法の基本①とにかくよく理解すること
前回までの記事はこちらをご覧下さい。
では今回から、緘黙症状があり不登校状態になっている子への対応について、考えていきましょう。
「原因探しはダメ」?
不登校についてインターネットで情報を探していると、「原因探しはダメ」という考え方に出会うことがあります。
これは私の考え方とは大きく違っているので、はじめに考えておきましょう。
私は不登校への対応にあたっては、「なぜ学校に行けないのか」「学校に行けないことの背景にはどのような要因があるのか」を正しく理解することが不可欠だと考えています。
なぜなら「不登校」というのは、そういう病気や障害があるわけではなく、あくまで表面に見えている「状態」に過ぎないからです。
色々な背景や困りごとを抱えている子たちがいて、それぞれ別の理由で学校に行けない・行きたくない状態になっています。
それを、背景にある問題を一旦無視して「年間30日以上の欠席」という数値的な基準でひとくくりにしたのが「不登校」という概念です。
これを別の現象に置き換えて考えてみましょう。
例えば「腹痛」という概念があります。お腹が痛いことですね。
腹痛にも色々な理由があります。何かの病気だったり、食べ過ぎだったり、ストレスだったりします。
当然、腹痛のときはその原因を明らかにします。(腹痛の場合は単一の要因であることが多いと思うので、ここでは「原因」でよいと思います)
病気の腹痛と、食べ過ぎの腹痛だったら、対応の仕方が全然違いますね。
もう一つ別の例で考えてみましょう。
「車が動かない」という状態になることがあります。
これも色々な理由がありますね。バッテリーがあがっているとか、ガソリンがないとか、どこか故障しているとか。
車が動かないときにはすぐにJAFを呼ぶという「共通の対応」もありますが、きてくれたJAFの人は原因を探してくれますね。(車の場合も「原因」と言ってよいでしょう)
バッテリーがあがっていることが分かれば、その場で充電してくれて、車はすぐに走り出せます。
「不登校」も同じだと私は考えています。
「なぜ学校に行けないのか」「学校に行けないことの背景にはどのような要因があるのか」を正しく理解することが、適切な対応につながります。
このように、問題となっている行動や現象の背景にある要因を正しく理解し、それに基づいて対応の方法を考えることを専門的には「アセスメント」と呼びます。
ここまでの簡潔にまとめると、「適切な対応をするためにはアセスメントが不可欠」ということです。
何についての情報が必要か
「アセスメントが不可欠」については理解していただけたと思います。
では、何についての情報が必要なのでしょうか。
これについては、必要な情報はたくさんありすぎて、詳しく書くのはなかなか難しいです。
無理を承知で単純化するとしたら、次の3つと言えるでしょうか。
・本人の心身の状態
・環境側の要因
・本人の意思
大まかにいって、前回の記事で紹介した「背景にある要因」と捉えてもらえればイメージしやすいと思います。
こういった事柄を1つ1つ丁寧に見ていくことが大切です。
そしてその中でも、私が最も重視しているのが「本人の意思」です。
学校に行けないのはなぜか、学校に行きたい気持ちはあるのか、本人は今の状態についてどのように思っているのか、といったことを丁寧に確認していきます。
本人が言語化できない場合
本人の意思が大事ということは分かっていても、本人がそれを上手に言語化できない場合もあります。
次回は、そういうときの考え方と対応について検討していきましょう。
【解説】録音を使った練習の進め方(後編)
前回は「録音を使った練習」の解説の前編をお送りしました。
今回はその続きで、
・録音から「会話」につなげる方法
・録音を使った練習の注意点
について説明します。
「録音を使った練習」
【使いやすさ】★★★★★
色々な条件
「話す練習」は「人」「場所」「活動(すること)」の条件を組み合わせて考えていくのが基本ですが、録音を使った練習でも同じです。
録音の場合、「録音する方法」「聞かせる方法」の2つの状況で構成されているため、それぞれについて条件を考えていくことになります。
組み合わせの数が増えるので、他の話す練習よりもスモールステップが作りやすい方法だと言えます。
1)録音する内容
他の練習でも同じですが、何を録音するのか(=活動(すること))の条件は話しやすさを大きく左右します。
「音読(教科書や新聞のコラムなど)」や「なぞなぞを出す」「しりとり」「質問への返答(事前にもらった質問に答える)」などの一般的な内容の他に、録音独特の方法もあります。
日記風に今日のできごとを語ったり、ビデオレターっぽく少し長めに話すのは、他の対面での練習ではしづらいので録音向きの練習です。
歌や英語のスピーチなど、「声を出すこと」が重要な学習活動を録音によって行うというケースも多いです。
2)録音する方法
練習の最初は、夕方や夜に自宅で録音するのが一般的です。
そこからステップアップして、「場所」や「時間」を変えていくことができます。
慣れてきたら学校の相談室や支援学級の教室での録音に挑戦することもできますし、中間の段階として通学路や校庭、駐車場や車の中での録音もできます。
時間についても、前日の夜録音するのと当日の朝録音するのでは時間的な距離が異なります。
学校で録音できるようになれば、録音してから聞かせるまでの時間を短くしていくことができます。
3)聞かせる方法
ICレコーダーで録音して聞いてもらう場合でも色々な条件があります。
・誰が聞くのか(担任だけか、特定の友だちか、クラス全員か、など)
・その場で聞くか(本人はいるかいないか)、別の場所で聞くか
・すぐに聞くか、時間を決めて聞くか
・スピーカーから音声を出して聞くか、イヤホンで聞くか
・何回聞くか(聞いたらすぐに消去するのか、など)
・どうやって音声データを渡すのか(誰がいつどのように) など
また練習の方法によっては「聞かせない」ということもあり得ます。
つまり「録音するだけして、聞かせないで音声データを消去する」という方法です。
これは「練習を聞かれるのは嫌」というケースで、練習の一番初めの段階で使うことがあります。
録音から「会話」につなげる方法
録音から会話につなげるには、「時間と場所を近づけていく」という考え方が効果的です。
上記の「2)録音する方法」で書いたように、学校での録音に近づけていけるとよいでしょう。
また内容についても、初めは音読からスタートして、慣れてきたら「質問に答える」に挑戦するのがお勧めです。
【ステップの例】※途中の段階をかなり省略しています
・家で教科書の音読を録音して、翌日担任の先生に聞かせる練習からスタート
↓
・慣れてきたら学校での録音に挑戦:誰もいない時間・場所に(放課後に相談室などで)音読を録音→翌日担任に聞かせる
↓
・学校での音読ができるようになったら時間と場所を近づける:担任から質問してもらってそれへの答えを相談室で録音→すぐに先生に聞かせる
ここまでできれば、リアルタイムでの応答まであと一歩!
家での音読から担任との会話まで、どのくらい時間がかかるかはケースバイケースです。
途中、かなり細かいステップをつくっていって、2年くらいかかってようやく先生からの質問に答えられるようになったケースもあります。
録音を使った練習の注意点
録音を使った練習を検討する際の注意点は1つだけ。
「本人とよく相談すること」です。
本人がこの方法でいけると思えば絶大な効果を発揮しますが、本人が嫌がったらこの方法を採用するべきではありません。
では、もし親や教師がこの方法で練習をしていってほしいと思っているのに、本人が拒否した場合は、どうしたらよいでしょうか。
それは簡単で、他の方法を考えればいいだけです。
この方法にこだわる必要はありません。
「話せるようになる」ための方法なんて500通りもあるわけですから。
録音を使った話す練習はとても効果のある方法です。
本人とよく相談しながら、効果的に練習を進めていけるといいですね。
録音を使った練習の小技や工夫などはまだまだありますので、また別の機会にご紹介します。
【注意点】
ここに書いてある方法は、効果のある場合もありますし、そうでない場合もあります。
書いてある方法を機械的に実践しても上手くいきません。
練習メニューを考えるにあたっては、様々な要素を慎重に考慮した上で、個々に応じた方法を選択するようにしてください。