【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法
【学校との連携⑬】「通知票」について①安心してください。通知票を見て嫌な気持ちになるのは、「場面緘黙あるある」です。
年度末は「通知票」が返ってくる時期でもありますね。
場面緘黙の子の通知票は、だいたいどこかしらガッカリすることが書いてあるものです。
それはもう本当によくありすぎる「場面緘黙あるある」と言えるでしょう。
とは言え簡単に笑い飛ばしてしまえるものでもありません。
今回からしばらく、この「通知票」問題について考えていきましょう。
「通知票」問題の3つのタイプ
まずはじめに、問題を整理しておきましょう。
通知票からくる問題は大きく分けて次の3つです。
1.各教科や行動・生活面の評価の記述で「嫌な気持ちになる」
2.成績が低く評価されることにより「不利益を受ける」
3.「個別の指導計画」の評価と活用がきちんとなされない
小学生の場合は基本的に1.が中心でしょう。
・各教科の成績が「低い評価」か「評価不能」(斜線など)になる
・無理解や誤解から「心ない記述」が書かれる
・無責任な「励まし」や「期待」が書かれる(「○○をがんばりましょう」系のやつ)
などがあります。
(もし場面緘黙カルタがあったら、「お」は「音楽の成績はいつも/(斜線)」でしょう)
中学生以降になると2.の問題も生じてきます。
1.の場合は嫌な気持ちになるだけで実害はあまりないですが、2.の場合は深刻です。
このケースは「合理的配慮」によって対応していくことになります。
特別支援学級や通級による指導を利用している場合、3.のタイプもあります。
年度末なのに、なぜか評価を記載した個別の指導計画が返ってこない、というケースをよく目にします。
通知票と一緒に個別の指導計画が返ってこない場合は、「あれ、おかしいぞ」と思って下さい。
なぜ「通知票」を見て嫌な気持ちにさせられなければならないのか
「通知票」を見て嫌な気持ちになるのは、それが一方的な通達だからだと思います。
「あなたは○○ですよ」と、(例え先生の誤解や勘違いがあっても)半ば暴力的に決めつけられてしまうのが通知票というものです。
そこには不服申し立ての余地が(多くの場合は)ありません。
でも考えてみてください。
なぜ通知票を見てそんなに嫌な気持ちにさせられなければならないのでしょう。
本来通知票というのは、子どもや保護者を嫌な気持ちにさせるために存在しているのではないはずですね。
あれ?では通知票って何のためにあるんでしたっけ・・・?
この問題を深く考えることで、次第に本質に近づいていくことができます。
それは実は、「教育において評価とは何か」という深い問いです。
なぜ学校では評価をするのか。
テストは何のためにあるのか。
「通知票」の存在意義とは何か。
上記の3タイプとそれへの対応を考える前に、次回の記事ではこの問題への考察を深めていきましょう。