【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法

2024-02-13 09:00:00

【連載:場面緘黙と不登校】第2回 不登校になってしまう場面緘黙の子は、実はとても多い

場面緘黙があって不登校になる子はどのくらいいるのか

 

客観的事実から確認していきましょう。

場面緘黙の症状がある子のうち、不登校になってしまう子はどのくらいいるのか。

こちらの図をご覧下さい。

場面緘黙と不登校:図.png

(高木ほか:場面緘黙児が示す緘黙症状以外の行動の困難-園・学校での行動の困難と不登校・不登園に着目して-. 場面緘黙研究, 2023より)

 

幼児から中学生まで210名の場面緘黙の子を対象にした研究です。

この図だとやや分かりにくいのでもう少し数字をまとめると、「現在不登校等」に該当した者の子は「幼児4.1%、小学生 14.2%、中学生28.2%」で、全体では14.4%でした。「対象にした場面緘黙の子210名のうち、14.4%が不登校」ということです。

この数値がどのくらい高いのか、同じ年の文部科学省による統計と比較するとよく分かります。

論文から引用しましょう。「調査実施と同じ年度の文部科学省の統計(2019年度の数値)では不登校児童生徒は小学生0.8%、中学生3.9%であった (文部科学省, 2020) 。本研究の結果を比較すると、SM児における不登校の出現率は小学生で約17倍、中学生で約7倍高いことになる。」(註:SMは場面緘黙、下線は筆者による)

 

この論文のデータからは、他にもいくつか興味深いことが分かります。

・幼児期から「登園渋り」に該当する者は多く、幼児で不登園になっている者もいる

・小学校高学年から不登校の子は増える

・不安度の高い中学生では、不登校の割合は50%以上(詳細は論文を参照)

・全体を通じて、不登校になっておらず、登校渋りもないの場面緘黙の子は半数に満たない

 

以上のことから、場面緘黙の症状のある子は、不登校(不登園)になってしまう子が非常に多いということが分かります。

私の感覚としては、不登校というのはもはや「場面緘黙の中心的な課題の一つ」と言ってもよいものです。

言い方を変えれば、場面緘黙の問題を考えるためには、関連する事柄として必ず不登校の問題も視野に入れておかないといけない、ということになります。