場面かんもく相談室 いちりづか

【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法

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2024-02-26 09:00:00

【学校との連携③】学校にどこまでお願いしていいのか、という難しい問題

前回に引き続き、学校との連携で「どこまでお願いできるのか」という問題について考えていきましょう。

前回の記事では、「学校の義務」として何をしてくれるのかについて説明しました。

今回はもう一つの始点である「教師の裁量」について検討します。

 

 

学校の先生の「善意」や「熱意」によって、多くのことが行われている

 

学校の先生はとても忙しいです。

授業や子どもへの対応だけでなく、学校行事や学校運営、地域との連携など行うことが無数にあります。

 

そして、学校の先生の仕事のうち「義務」ではない部分の仕事はすべて、先生方の「善意」や「熱意によって行われています。

 

子どもたちが帰ったあと、「翌日の授業の準備」「学級便りの作成」「テストの採点」「学級便りの作成」「テストの採点」などの業務があります。

「会議」や「行事の準備」、「研修」などもあります。

それを毎日子どもが下校し終えてから約1時間のうちに行わなければなりません。

これはもう、大変な忙しさです。

 

例えば「学級通信」を考えてみましょう。

学校でもメールやスマホアプリでの情報伝達が普及してきましたが、まだまだ丁寧に学級通信を作っている先生も少なくないと思います。

これは作成が義務づけられている訳ではありませんが、教育的な効果を考え、貴重な時間を割いて日々の学校生活のことなどをご家庭や子どもたちに伝えているのです。

「部活の顧問」も同じく「義務」ではない仕事の代表です。

学校の先生は残業代が出ないことが法律で決まっていますから、夕方や土日の部活の指導はほとんどタダ働きに近いです。

 

「放課後に担任と話す練習」も、これらと同じく「善意」や「熱意」によって行われていると考えてよいでしょう。

この練習方法は緘黙症状の改善にはとても効果的なので提案するケースは多いですが、協力が得られないこともよくあります。

これだけ忙しい訳ですから、それは無理のないことだと私は思っています。

 

 

条件さえ整えば、できることは多い

 

 

その一方で、時間や校内の理解などの条件が整いさえすれば、通常の学級でもできることは多いです。

上記の「放課後に担任と話す練習」の他、「個別の音読や発表の機会を作る」「仲の良い友だちとペアや小集団で活動する機会を作る」「仲の良い友だちと近くの席にする」「目立たずに筆談できる機会を作る」などなど。

普段の学校生活以外にも、「春休み中に新しい担任と相談する機会を作る」「クラス替えのときに仲の良い友だちと同じクラスにする」「学校行事と準備の詳細なスケジュールを伝える」などできることはたくさんあります。

これらができるかどうかは、すべて「教師の裁量」に委ねられています。

 

例えば「春休み中に新しい担任と相談する機会を作る」を学校側がやってくれるかどうかは、私の経験では半々くらいです。

快く機会を設定してくれる学校もありますし、断られてしまうケースもあります。

 

 

お勧めは「プレミアムコース」:特別支援学級や通級の利用

 

 

こういったことを踏まえ、もう一度「学校との連携」について考えてみましょう。

ここで重要になってくるのが、「通常コース」(通常の学級に在籍していて特別支援学級等を利用していない)なのか、「プレミアムコース」(特別支援学級や通級による指導を利用している)なのかです。

前回の記事でも書きましたように、特別支援教育の対象となっている子に対しては学校側に多くの義務が生じます

 

通常の学校教育 特別支援教育
 「個別の指導計画」の作成と活用 義務ではない

義務

 「個別の教育支援計画」の作成と活用 義務ではない

義務 

 「話す練習」などの個別の対応※ 義務ではない

指導計画の内容は義務 

 合理的配慮の提供 義務

義務

 

 

上記の大半は(全部ではありません)、「個別の指導計画」にそれが明記されていれば実行することができます。

 

これが、私が特別支援学級・通級による指導の利用を勧める理由です。

通常学級の担任に「放課後に話す練習」をお願いしたら、それをやってくれるかどうかはその先生の「善意」や「熱意」にかかっています。

しかし特別支援学級の担任の場合、「個別の指導計画」に明記されている事柄は正規の業務の範囲内になります

つまり、忙しい通常学級の先生に「ボランティア活動」で協力してもらうのではなく、正規の業務の範囲内」で対応してもらうことが大切なのです。

 

 

【注意点】

この記事の内容は、日本の一般的な学校教育を念頭に書いています。

日本の学校でも、私立の学校などの場合は当てはまらないことがあります。