【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法
【学校との連携④】担任の協力が得られる場合は、特別支援学級・通級は不要か
前回は学校の先生に協力してもらう場合は、特別支援学級や通級を利用すると進めやすいという話をしました。
しかし実際には、特別支援学級や通級を利用していなくても、担任の先生がとても協力的で放課後の話す練習などにもつきあってくれる、というケースも少なくありません。
こういった場合は、それで十分に練習が進められるようでしたら特別支援学級や通級は利用しなくてもよいかもしれません。
ただ私の場合、そういうケースでも特別支援学級の通級の利用をお勧めすることは多いです。
その理由は、「今できていることが、来年度もできるという保証がないから」です。
担任が替わると、できていたことができなくなるケースもある
担任の先生がとても協力的で、毎週放課後に話す練習の時間をとってくれたり、交換ノートをしてくれたり、授業中も細々とした配慮をしてくれたりするということはよくあります。
そういうケースでは、緘黙症状は改善に向かうことが多いでしょう。
専門家の力を借りなくても、丁寧に子どもと関わりながらできそうなことを模索していけば、緘黙症状は改善していくものです。
ところが、学年が上がって担任が別の先生になると、これまでできていたことが途端にできなくなってしまうというケースをよく見かけます。
それは、「担任の先生」というのがその子の状態を大きく左右する「環境因子」だからです。
「放課後の話す練習」も「交換ノート」も、忙しい業務の合間を縫って、担任の先生のボランティア活動によって行われていたものです。
次年度の担任の先生が同じように対応してくれるかは分かりません。
特別支援学級や通級を利用していれば、計画は引き継がれる
一方、特別支援学級や通級を利用している子であれば、このように年度の替わり目で計画が途切れてしまうことは(制度上は)ありません。
支援計画は年度をまたいで作られるものですし、仮に担当者がすべて替わっても計画は必ず引き継がれます。
「放課後、担任の先生と話す練習をする」というのが計画に書き込まれていれば、4月から練習を開始することもできるのです。
もちろん3月までできていたことを4月の最初の週からできるとは限りません。
1から関係を築き直していくために時間がかかるケースもあるでしょう。
ただそれは通常の学級でも同じことですので、計画の継続性を考えればやはり特別支援学級や通級を利用していた方が、より効果的に練習を進められることは間違いありません。
【注意点】
この記事の内容は、日本の一般的な学校教育を念頭に書いています。
日本の学校でも、私立の学校などの場合は当てはまらないことがあります。