【ブログ】「話せるようになる」ための500の方法
【学校との連携⑮】「通知票」について③低い評価になるのもやむを得ない場合もある
この記事で書いた「通知票」問題の3つのタイプについて、順番に考えていきましょう。
今回は「1.各教科や行動・生活面の評価の記述で「嫌な気持ちになる」」についてです。
このタイプには、以下の様なものがあります。
・各教科の成績が「低い評価」か「評価不能」(斜線など)になる
・無理解や誤解から「心ない記述」が書かれる
・無責任な「励まし」や「期待」が書かれる(「○○をがんばりましょう」系のやつ)
その内容によって、やむを得ないもの・ある程度仕方がないものと、見過ごすべきでないもの・しっかり対応した方がよいものがあります。
まずは「やむを得ないもの・ある程度仕方がないもの」を見ていきましょう。
仕組み上、低い評価がされてしまうのは仕方がない面もある
最近の通知票は、「観点別評価」と言って「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」のような観点から評価が記述されます。
「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の下線部は、いずれも緘黙症状があると学校では発揮しづらいものでしょう。
ですので緘黙症状のある子にとって、苦手な部分が出てきてしまうのはやむを得ません。
また実際の通知票の評価の項目は「相手や目的に応じて、筋道を立てて話したり、質問したりすることができる」のようにさらに細かく設定されていたりします。
そうすると、どうしても低く評価せざるを得ない項目が存在するのです。
教師が個別に対応するのはなかなか難しい
<前回の記事>で書いたような評価の目的や意義を教師が正しく認識している場合であっても、実際に個別に対応するのは容易ではありません。
通知票の様式や項目は学校や教育委員会で決められているものですから、クラスに緘黙症状のある子がいるからといって変えることは難しいです。
教師も、緘黙症状のある子の評価で「相手や目的に応じて、筋道を立てて話したり、質問したりすることができる」のような項目で低い評価をつけるのは躊躇するでしょう。
ですが学期末に成績をつけているときは時間の制約も大きいので、一人ひとりに時間をかけて対応するのはかなり難しいです。
結果として、こういった評価がなされてしまうのにはやむを得ない側面もある訳です。